花形装飾活字を愛でる その58

紹介しておりますエンスヘデ活字シリーズ60の花形装飾活字のアウトライン化したデータ差し上げます。
詳しくは
http://www.fengfeeldesign.org/をご覧ください。
お待ちしております。

番外編です。
今現在、
印刷または出力と呼ばれる技法は多岐に渡っています。
そしてその全てに共通(特殊な一部を除く)して言える事は、
コンピュータを介してるという事。
この現状は発展的に言えば、
その作業をスムーズにし、
日本人特有の職人イズムを沸き立たせるに充分であったと思います。
作業の単純化、分担化。
中でもレーザープリンタは大きな開発でした。
コンピュータを介し、
組版でも写植でもない、
タイムログを無くしたアウトプットによる確認。
これは革命であり、
イメージがすぐに形になるというのは、
グラフィックデザイナーへの負担が激減します。
誰もがコンピュータに触れる事が出来、
ソフトウェアも安価なもの、
高価なものでも少し頑張れば手に入るようになりました。
作業は簡略化され、
誰もがグラフィックデザインに触れ、
文字や書体を操り写真やイラストで飾る時代が来ました。
が、
肝心の技能は上がったと言えるでしょうか。
問題は手間を省ききった結果が今を圧巻している事にあります。
何故、
その部分が簡単になり便利になったのか、
それさえ汲み取らずに制作しているのが実際なのでしょう。
それはアマやプロに関わらず、
ほとんどがそのような状況であると断言します。
グラフィックデザイナーとしての価値を、
職業意識でしか維持出来ない事に疑問は感じないのでしょうか。
イメージばかりが先行してはいないでしょうか。
もう一度フォーマットから見直すべきです。
そして、
花形装飾活字程のフォーマットを、
コンピュータで作る事は尋常ではありません。
今回の場合は既にあるものを復刻したに過ぎませんが、
もしこれを今、現在に照らし合わせ現在のものとして、
新たに作る場合に、
「コンピュータ」は非常に役に立つと思います。
それを利用する可能性は、
わざわざ鉛や銀で、版を彫るよりも格段に上なのです。
写真という可能性はコンピュータで語られてきました。
これこそが現在におけるもっともポピュラーで新しい技法なのでしょう。
ですが、
それも限界に近づいているのではないのでしょうか。
なにかこう次の新しい一手が必要なのではと考えています。
印刷とグラフィックデザインについて探る事は重要な事でなのです。
忘れてはなりません。
グラフィックデザインの可能性はイメージを構築する事ではなく、
情報を伝える手段の可能性なのです。
そのエッセンスの新しい発想こそが、
優れたグラフィックデザインであると言えると思います。
その中で、
今は最高にいい環境であると思いませんか?
しかも、しかもですよ。
そのフォーマットを容易試せる状況が、
ネットという道具の元であるというのは奇跡です。
そろそろ、
一度原点に戻って、
本気でグラフィックデザインについて考えてみませんか?
花形装飾活字はそのきっかけになる事は間違いないでしょう。