花形装飾活字を愛でる その123

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うん、いいよ凄くいい。
今回の画像は、
新・花形装飾活字「水草」の基本的な作法として提示します。
今までの花形装飾活字で根本的に違う事がわかるかと思いますが、
まず、
囲まない事が基本です。
配置するという観点で見ると、
よりグラフィックデザインの方法論に沿った近い形になっています。
もちろん囲っても使えますが、
これについては後々解説していきます。
図案は大きく分けて4つのグループに分かれています。
今回上部配している「動的グループ」
下にポツンと配されている「止めグループ」
他に「連結グループ」「異質グループ」に続きます。
これも1ずつ今後説明していきます。
各図案には方向を示す「根」が備えられてます。
これはお互いの図案を関連付ける安全弁のようなものでもあり、
方向を示す指示器のような役割があります。
そして今回の要でもある紙面上での情報の緩急をつけるクッションのような存在でもあります。
今回の図案は「楕円」を基本として構成しておりますので、
どうしても紙面を埋める白と黒とのバランスが、
文字や写真、絵にと対した時に崩れてしまうので、
それを防ぐ役割も与えています。
この「根」のおかげで、
間を空けたときや、
数を少なく配置した場合でも、
容易に互いの関連性を生み出し、
情報を遮断する密度を調整する事に成功しています。
長い「根」や共通している「根」を図案同士で重ねる事で、
2つの図案を1つにも出来、
その可能性を無限大に広げてくれます。
また重ねる作法を使う事で、
書道でいうところの止め、跳ねを自在に操る事も出来ます。
今回の画像のように、
遮断の密度を調整する事で、
右の題目と左の文章とを情報として「切り離さず」に、
関連性を与えながらも「分ける」事が出来ています。
それは情報が増えれば増えるほど有効な手立てであり、
整理とは違う新しいタイポグラフィを可能にもしています。
隔てる密度を調節し整理した上で、
紙面を装飾で埋めるのではない、
まったく逆に在り方を体感出来るかと思います。
あ、
ここで注意なのは、
今回の「水草」では、
上記を読んで勘のいい人は察してるかと思いますが、
この花形装飾活字で情報を飾ることはもちろん、
情報そのものと関連性を持つ事は出来ません。
まあ、やってもいいんですけど、
それはエンスヘデ的な在り方の方が正解なんですよね。
出来ない事はないですが、
おすすめはしません。
重要な事は、
茶室へと導く道筋を作るだけですから。

という事で基本的な作法はまだまだつづきます。