五目紙物店「寅屋」

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五目紙物店「寅屋」: http://www.fengfeeldesign.org/toraya/

fengfeeldesignが生まれたのが1998年の事です。それから14年の歳月が過ぎました。何かが繋がっていないという実感がずっとあって、その答えを模索する為の実験として、fengfeeldesignという方法論が生まれました。デザインという形骸に触れた瞬間でもあって、デザインという名の思想の実現にそのファクトリーは必要だったし、fengfeeldesignという在り方はやはり、どこか、社会に通じる一般認識としてのデザインとは少し違う所に重きを置いているのだなと、その過程の中で気付く事が出来ました。寅屋はfengfeeldesignの実験の最中に生まれた変異体である事は確かです。fengfeeldesignが場所としての実験を構築した時点で、何かが生まれる予感というものは確実にあったし、その結果が、この西田辺という場所の偶然であった事も大きな要因になったと思います。隣にギターを制作しているミワくんがきっかけになって、たくさんの人が集まってくるようになりました。基本的には近所の人達で形成された、この西田辺は、いつしかfengfeeldesignの手を離れる事になります。始まりはfengfeeldesignによるミワくんへの活動のフォローでした。それがまさしく五目紙物店「寅屋」なのです。fengfeeldesignによる、ミワくんという実験が思いも寄らない化学変化を起こして寅屋へと変貌を遂げました。ある程度の技と知恵と実績を備えた人物が何故それで喰えないのか、fengfeeldesignの実験で分かった事は、彼らを助ける金持ちが圧倒的に少ないという事です。彼らこそがお金を受け取るべきだし、その投資が次代のクリエイティブを育むというのに、それが分かっていない文化レベルの低い人達が、お金を持ってしまっているという事実にこそあります。fengfeeldesignを達成するには、それらの問題を解決しなければなりません。そして寅屋なのです。圧倒的な才能に溢れ、世界から見捨てられた人達の溜まり場のような場所、もしくは、それらを価値があるものとして、姿勢を示す教養やメッセージを伝える目的の場所が必要なのです。作る人達は、経済に寄り添って生きる人間達に比べて非常にリスキーな時間を過ごしています。あなた達がお金の事を考えている時間を使って、作っている訳ですから、そして、お金持ちは口を揃えてこう言います。社会なめんな。僕はそんな人達に、ふざけんな。と伝えたい。あなた達が芸術や文化、美術に疎いように、作る人間達は、経済や社会について疎いのです。寅屋はこの現状に立ち向かいたいと思います。言わば反抗です。日本は過去に、商と美が寄り添う良い時代があったと聞きます。どうぞ、五目紙物店「寅屋」をどうぞよろしくお願いします。

『この際、グラフィックデザインにさようならをしてしまい、寅屋という、夢を叶えるなんでも屋さん(文化系)を始める事にしました。寅屋は、いかしたギター、かわいい漫画や、しゃれた釣り道具や、いきなデザインや、紙、印刷などを商う店でございます。なにぶん曲者ぞろいゆえ不行届きがちながら、ふと、私たちの事を思い出してくださりましたら、お散歩がてら、お遊びにいらしてください。

大阪西田辺 吉日 寅屋事阪口哲清』