花形装飾活字を愛でる その44

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紹介しておりますエンスヘデ活字シリーズ60の花形装飾活字のアウトライン化したデータ差し上げます。
詳しくは
http://www.fengfeeldesign.org/をご覧ください。
お待ちしております。

花の写真に花形装飾活字。クドイです。
パ、パクってないですよ。
今回からはポストカードサイズしております。
ああ、やっぱり羽を伸ばして自由に組むのは楽しいです。
一枚目(ホームページのログで公開中)は、
写真で装飾を隠す方法、
それかオブジェクトで装飾を隠す方法。
このやり方は実は好きなんですよね。
素晴らしい装飾を敢えて隠す事で、
装飾が主役じゃなくて演出する側に簡単に廻ってくれるのと、
隠すってのは裸よりいいよね。
凄く魅力に感じる。結局は裸にしか興味が無いわけやけど…。
雑誌の中綴じのページとか切らずに覗くのが好きとかそういう感じで。
2枚目は、
自由にしました。
せっかくイラレですし、
画像に重ねて装飾としての意味合いを前面に押し出しました。
微妙に回転させたり、
版とは関係のない領域で近づけてみたり。
拡大縮小は行いませんでした。好みの問題です。
凄いと思ったのは、
そのランダム性と装飾としての質の高さです。
画像を見ただけだと一見、
どこにどれを使っているのか分からない感じになってます。
装飾としてそのバリエーションの豊富さは、
やはり単品ではなく、
こんな風ですが組んだ時に初めて発揮されるのだと、
改めて感じさせられました。
やっぱ凄いですよね。
この作業してる時は夢中になりすぎて時間を忘れました。

話は凄く変わりまして、
ところにより、
グラフィックデザインはコンピュータを利用する事で自由を得ました。
まず得た自由はなんだと思いますか?
それは配置です。
と言っても全てを統合した自由には随分と時間がかかった訳ですが…。
最初の大発明は文字が左から右へ完全に平行にタイプ出来て、
それをいつでもプリントアウトし印刷出来た事だと思います。
間違ってタイピングすれば修正が効きますし、
改行も字間も何もかもが自由になる事は、
当時としては凄い事だったのです。
そして今。
完全とは言えないのかもしれないですが、
制限を感じないくらいに自由を得る事が出来ました。
全てのオブジェクトは意のまま思いのまま…。
操作も簡単で対した技術もなくても誰もが作業が出来るレベルにまで達しました。
そのおかげでデザインが良い意味でも悪い意味でも普及し、
プロフェッショナルと素人との差、
壁でもいいか、が消えつつあります。
これは何を意味をするのでしょうか。
俗に素人のレベルが上がっているとも言えますが、
ボクは逆にプロのレベルが下がっている面も否定は出来ないと思うのです。
創造性や感性や独自性だけが先行し、
肝心な技術への関心が薄らぎ、
グラフィックデザインを教える学校(大学含め)でさえも、
キチンと教えているかは怪しいものです。
企業は即戦力を求め、
スピードを求め、
イメージを求め、
最近の雑誌等のタイポグラフィの技術力の無さは虚しささえ感じます。
あれでいいんかいな!と。
もう一度勉強しなおさなアカン時に今は来てるのだと、
当事者さえ気付かない今の現状はどうなんでしょう。
あれでいいと思っているのかな。
腹ただしささえ感じます。
ま、それはさておき。
ボクはこの花形装飾活字を通してその基本を思い出して欲しいと考えました。
だから出来ればもっとグラフィックデザイナーの方や、
それを志している方に興味を持ってほしい。
持たない事は逆にどうなんでしょう。
仕事して給料とかギャラ得れたらええのかな。
結果が出なきゃいいグラフィックデザインとは言えないなんて、
そういう垣根を越えた超越した価値観が今必要じゃないかな。
プロとアマの圧倒的な差はやっぱりキチンと築いていかんと逆に危ないと思う。
もちろん単純に花形装飾活字を愛している方がいてくれる事が、
なによりも嬉しい事です。
ボクもまたその1人ですから。