花形装飾活字を愛でる その212

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ここで扱っている花形装飾活字は、他の素材よりも、いささか使いづらいかもしれないが、ちゃんと操作方法やUIについては、かなり検証して、それぞれのクセのもと、ある程度の慣れさえこなせば、ある一定の組みの実現が容易くなるように出来ています。とくに「hug」の場合は、それが色濃く反映された道具であるように感じます。水草の時に得た、自由と、fujiの時に得たルール、の善き経験値を円を主体とする事で、それを実現しました。水草も、fujiも、重ねる事を基本としていますので、それらを、いかようにロジックに行う事が出来るか。が、hugを考える上で非常にポイントとなった箇所でもあります。重ねても善し、並べても善し、自由に配しても善し、または円を中心とした、回転や、それらに付随する十字の線のガイドを活用し、非常に汎用性に優れたデザインが実現出来ました。上下左右の反転の美しさ、サイズを変えた時にも、装飾としての機能を損なわない事など、あらゆる点で、fengfeeldesignが制作した他の花形装飾活字を凌駕しています。もちろん、それぞれが、それぞれに、突出した魅力がある訳ですが、hugが特別に凄い制作であったのは間違いないように思います。「hug」で目指した事の1つは、独立しない事です。先の水草と、fujiでは、例えば、文章などと並べた時に、内容との連携が少し弱く、少し、装飾の方が勝ってしまう為、その扱いが少しシビアな点がありました。この点は、hugでは、starsや浮雲の時のラインの取り方を参考しながら、ただ繋げるのではなく、繋がった時にちゃんと描画されている事や、1つの世界を構成出来ている事、そして、単に直線的な繋がりではなく、なんらかな図形を描かきながらの連結である事を意識しました。そうする事で、使用者に一定のルールを与えつつも、使用者によっての扱いのランダム値が上がる事が確認しています。とくにそれは浮雲の時に強く現れるようで、組んでいる感覚はとても浮雲には似ているかもしれません。浮雲の動作で、水草やfujiのような絵が作れるのは、hugでの1つの大きな発見でありました。また、浮雲での不自由さを、円によって取り除いた経緯を考えると、このシステム自体は、浮雲からのバージョンアップと言っていいような気がします。